セルージョン、昭和電工マテリアルズ傘下のMinaris社とグローバル展開へ向け業務提携
iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術で世界の角膜移植待機患者問題の解決をめざす株式会社セルージョン(本社:東京、代表取締役社長:羽藤 晋、英語表記:Cellusion Inc.、以下、セルージョン)は、昭和電工マテリアルズ株式会社(本社:東京、代表取締役:高橋秀仁、以下、昭和電工マテリアルズ)傘下のMinaris Regenerative Medicine LLC(本社:New Jersey、代表取締役CEO:坂東博人、以下、Minaris)と再生医療等製品CLS001の米国市場での商業化へ向けた製法開発に関する業務について、基本合意契約を締結したことをお知らせします。
角膜移植でしか失明を防げない眼科疾患のため移植を待っている患者は、全世界に1300万人以上存在し、その多くは治療や保健サービスが十分に受けられない国や地域にいます。1年間に実施される角膜移植は全世界でわずか約18万件です。全世界で高齢化が進み患者数が増加する逆風の中、この医療格差を解消するには、より重点をおいた取り組みが社会として必要になります。角膜移植において、このような治療の受給ギャップが生じたのは、ドナーからの角膜提供が必要なことに加え、熟練した角膜移植医の確保やアイバンクの整備という課題が大きな治療需給ギャップの原因として考えられます。セルージョンは、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の一例である角膜移植の治療供給の制約を最先端の再生医療技術で解消すべく、待機患者の疾患の半数以上を占める水疱性角膜症の治療を目的とした細胞治療の開発(開発コード:CLS001)に取り組んでいます。このiPS細胞由来角膜内皮代替細胞を用いた細胞治療CLS001のグローバル展開を見据えたサプライチェーン構築をさらに進めていくため、このたびMinarisとCLS001の米国の臨床試験および商業化へ向けた製法開発に関する業務について、基本合意契約を締結しました。Minarisは1997年の再生医療の黎明期に米国で創業した開発製造受託機関(以下、CDMO)であるProgenitor Cell Therapy社に源流をもつ昭和電工マテリアルズ傘下の再生医療等製品に特化したCDMOです。セルージョンは、Minarisが有する製造技術と実用化ノウハウを活用し、CLS001のグローバル展開に向けた課題を協力して解決し、水疱性角膜症に対する新たな治療法提供へ向けた取り組みを加速してまいります。
[Minaris Regenerative Medicine LLC 代表取締役CEO 坂東博人のコメント]「Minarisの再生医療等製品の製造及び製造開発技術を活かし、セル―ジョンの水疱性角膜症への新たな治療法開発のサポートができることを大変光栄に思っています。セル―ジョンの米国での臨床試験に向けた製法開発に尽力致します。」
[株式会社セルージョン 代表取締役社長 羽藤 晋のコメント]
「再生医療分野の黎明期から20年以上にわたり米国を代表するCDMOとして活躍してきた実績と経験を持つMinarisとこの度、業務提携できることを大変うれしく思っております。角膜ドナー不足により水疱性角膜症に苦しむ世界中の患者さまのため、グローバル展開できるCLS001の堅牢な製法を開発し、新しい再生医療製品をお届けするために今後も努力してまいります。」
[Minarisについて]
Minarisは、米国(ニュージャージー州)を拠点とする再生医療等製品に特化した世界有数のCDMOです。 これまで20年以上にわたり、製法開発および治験薬/商用製造を通して、当社が持つノウハウや技術をお客様に提供してきました。Minarisグループの製造拠点は、米国、ドイツ、日本にあり、世界中の患者さまにサービスをご提供しています。Minarisは昭和電工マテリアルズの100%子会社です。
URL: www.rm.minaris.com
Twitter: https://twitter.com/MinarisRM
LinkedIn: https://www.linkedin.com/company/minaris-regenerative-medicine
[水疱性角膜症(よみ:すいほうせいかくまくしょう)について]
水疱性角膜症は、白内障などの目の手術や遺伝性の要因により角膜の一番内側で角膜内の水分を適切な量に調節している角膜内皮細胞が減り、その機能に不具合がおきることで、角膜が水膨れし、混濁により視力障害を起こす病気です。この病気は進行性で、治療せずに放っておくと失明にいたります。現在は正常な機能を持つ角膜内皮細胞を角膜移植で補う治療でしかこの病気を治療することはできません。しかしながら、他の臓器移植同様、角膜移植も深刻なドナー不足問題に直面しています。日本にも1万人以上の患者がいると推定されており、また2013年に行われた世界的な調査では、世界中に1300万人ほどの角膜移植待機患者がいると報告されています。
[CLS001(よみ:しーえるえすぜろぜろいち)について]
CLS001は、さまざまな種類の細胞に分化することが可能なiPS細胞をセルージョンが持つ独自の技術により効率的に分化させて作り出した角膜内皮細胞の代替となる細胞です。セルージョンは「iPS細胞が有する優れた増殖性」と「簡便な手技で属人的技術を不要とする細胞移植法」を組み合わせ、角膜移植適用症例の半数以上を占める水疱性角膜症に対する治療用再生医療等製品として、CLS001の開発を進めています。製品開発は現在、慶應義塾特定認定再生医療等委員会、および厚生労働省の厚生科学審議会から2021年7月にヒトでの安全性を評価する医師主導臨床研究の実施承認を得ており、現在、慶應義塾大学病院では当該研究の参加者募集を開始しています。また、セルージョンは自らが主体となって行う日本での企業治験とグローバル地域での治験準備を進めています。
[セルージョンについて]
セルージョンは慶應義塾大学医学部眼科学教室発の再生医療ベンチャーです。iPS細胞から角膜内皮代替細胞を効率的に作り出す独自技術などの特許技術を基に、世界の角膜移植課題をめざすリードプログラムCLS001をはじめ、最先端の再生医療技術でペイシェント・セントリシティの考え方に立った医療ニーズの提供をめざした研究開発を推進しています。
商号 :株式会社セルージョン
代表者 :代表取締役社長 羽藤晋
所在地 :東京都中央区日本橋小舟町8番6号
設立 : 2015年1月
URL : https://cellusion.jp/
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